研究概要 |
研究代表者の水原は,n次元ユ-クリッド空間上の一般化されたモリ-空間上で,ハ-ディ-・リトルウッドの最大作用素やカルデロン・ジグモントの特異積分作用素が有界になることを示した。さらに,モリ-空間とカンパナト・スタンパッキャ空間の同値性の一つの証明を与えた。 この結果は,まとめて近く,ICM90,サテライト・プロシ-デイング(Springer刊)に掲載の予定である。さらに,一般化されたモリ-空間の双対空間を研究中である。分担者高橋は,微分方程式を代数的に解くことを研究中であるが、結果は得られてない。分担者森は,整関数のイテレ-ションによる複素力学系について,およびラング・ボヨタ理論によるデイオファンティ-ン近似と値分布論についての研究を勉強中である。まだ成果は得られていない。 分担者尾方は,正則断面曲率一定なn次元ケ-ラ-多様体のガラス曲率一定な極小曲面の分類を目指して研究を続けた。複素構造と関連して定義されるケ-ラ-角度を用いて,これが一定でnが低次元の場合は,ガウス曲率も一定になることが分り分類が完了する。この結果は近くT.M.J.に掲載の予定である。さらに,nが高次元の場合を目指して研究中である。 分担者関川は,タイヒミュラ-空間の形状,フックス群とコンパティブルな等角写像のシュワルツ微分全体のなす空間の形状,およびそれら2つの空間の間に成立する関係,等を明らかにすることを研究した。第一種フックス群の場合について,群とコンパティブルな等角写像のうち特に像がジョルダン領域からなるもののシュワルツ微分全体の空間に関して部分的な結果は得ているが,第二種のフックス群の場合も含めてなお研究を継続中である。
|