研究分担者 |
安田 潤 静岡大学, 教育学部, 教授 (10021883)
金井 省二 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40022206)
勝田 雄吉 静岡大学, 教育学部, 教授 (80036186)
大田 春外 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40126769)
宮田 由雅 静岡大学, 教育学部, 教授 (50022207)
|
研究概要 |
本年度の研究目的に沿ってまず実数体や複素数体上のバナッハ空間について、いろいろ図書,論文等の文献により現在世界で研究されていることについて理解を深めた。さらにそれらのことをもとにして、非アルキメデス的付値体上の線形位相空間やバナッハ空間についての文献についての理解の深めた。また学会,シンポジウム等にも参加し討論等を通して,この分野についての現状等の把握につとめた。これらのことを通して、本年度特に研究したことは、バナッハ空間のある種の分解についてである。すなわち, Kを完備な非アルキメデス付値体とし,EをK上のバナッハ空間,L(E,E)をEからEへの連続線形写像の集合とする。列(Pn)<L(E,E)は次の条件をみたすとき,EのSchauder分解という。 (1)PmPn=Pmin(m,n)(2)(PnX)( ^<【double arrow】>xεE)はXに強収束する。(3)Pm≠Pn(m≠n) このとき,次のことが成り立つことを示した。 [1]Schauder分解(Pn)は1に強収束するが一様収束ではない,ある種の性質をもった列である。 [2]Kが球完備でEがGrothendieck空間のとき,EはSchauder分解をもたない。 これらの結果を主定理にもつ論文をまとめ、The Rocky Mountain Journal of Mathematicsに投稿し受理された。 さらに,K上のバナッハ空間Co,l^∞,l^∞/Coの部分空間が直交直和分解(ヒルベルト空間のように内積による直交概念とは異なり、非アルキメデスバナッハ空間特有の直交概念である。)をもつための条件について研究し、いくつかの結果を導びいた。これもまた発表の予定でいる。
|