研究分担者 |
尾畑 伸明 名古屋大学, 理学部, 助手 (10169360)
伊藤 正之 名古屋大学, 教養部, 教授 (60022638)
岸 正倫 名古屋大学, 教養部, 教授 (40022545)
舟木 直久 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60112174)
飛田 武幸 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022508)
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研究概要 |
研究課題である解析的容量の研究は有界解析函数の構造論であり、完全流体のなす速度場論(ホドグラフ面論)でもある。2次元連結物体が引き起こす速度場の研究は補領域から単位円板への等角写像により単位円板内の解析函数(完全流体)の研究に帰着し、このRiemann写像はある極値問題の解として与えられる。このことから一般のコンパクト集合に対し同様の極値問題が定義される。この極値とそれを与える函数(Ahlfors函数)の構造を調べるのが我々の目的である。極値は与えられた多体が引き起こす力(揚力)と関係している。本研究の特徴は容量研究にHilbert変換とSzego^^¨核を使う所にある。論文〔1〕ではHilbert変換の立場から容量の研究を試みており,論文〔2〕,〔3〕ではSzego^^¨核の立場から容量の構造を調べている。完全流体を扱うのにGaussーGreenの公式(Cauchyの積分定理)を用い大域素解(Cauchy核,渦糸)の構造と結びつける手法は古典的である。この手法は簡明で局所構造を解明するのに適しているが,多体問題を扱うのにかならずしも便利とはいい難い。Szego^^¨は解休函数のなすあるHibert空間の再生核であり,Cauchyよりも大域的性質を解明するのに適している。従ってSzego^^¨の構造論文と容量を結びつけて論じた〔2〕,〔3〕は有意義であると考えている。論文〔4〕は若干の新しい結果を含んだ総合報告であり,Green函数を使うことなしに2次元飛行物体の揚力理論をまとめている。あらゆる方向からの風に対して揚力が作用しない物体を構成出来たことは,本研究が数学のみならず応用上も重要であることを示している。(文献番号は次ペ-ジ,上から順)
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