研究分担者 |
田辺 広城 大阪大学, 理学部, 教授 (70028083)
池田 信行 大阪大学, 理学部, 教授 (00028078)
川中 宜明 大阪大学, 理学部, 教授 (10028219)
永友 清和 大阪大学, 理学部, 講師 (90172543)
平地 健吾 大阪大学, 理学部, 助手 (60218790)
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研究概要 |
なめらかな境界を持つ強擬凸領域に付随する再生核のうちで,特によく知られているベルグマン核函数およびゼゲ-核函数について,いくつかの結果が得られた. 二次元の完全ラインハルト領域においては,ベルグマン核函数の漸近展開をかなり具体的に書くことができることが知られていたが,同様のことが柱状領域においても成り立つことがわかった.強擬凸な二次元の柱状領域のクラスは四通りに場合分けされるが,そのうちの一つが完全ラインハルト領域に対応している.これら四つの場合に対して,完全ラインハルト領域のクラスにおける球と双正則な領域の特徴付けに関する考察を,ある程度まで一般化することができた.例えば,底領域が有界な場合には、漸近展開の対数項の境界値は恒等的には消えない.また,得られた答の一部分は,弱擬凸領域に対しても拡張される. 次元が一般で領域が強擬凸とは限らない場合にも,ラインハルト領域と柱状領域におけるベルグマン核函数の間にはポワソンの和公式が成り立つことがわかった.このことは,正則函数に対するロ-ラン級数展開とラプラス積分表示の関係に対応している.よって,同様のことが別の再生核に対しても成り立つ.これらのことより,一方の領域のクラスにおける結果を他方の領域のクラスに関する情報に読み換えることができると期待される. ベルグマン核函数の漸近展開にどのような形で不変多項式があらわれるかという問題に関して,その具体的な形がある程度まで知られていたが,不変な面素に付随するゼゲ-核函数の場合にこれに対応する結果が得られた.さらに,いくつかの普遍定数を決定することもできた.
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