研究分担者 |
橋本 一夫 広島大学, 理学部, 助手 (00156275)
前田 文之 広島大学, 理学部, 教授 (10033804)
三村 昌泰 広島大学, 理学部, 教授 (50068128)
宮川 鉄朗 広島大学, 理学部, 助教授 (10033929)
草野 尚 広島大学, 理学部, 教授 (70033868)
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研究概要 |
本研究では,微分方程式を含む種々の非線形問題を発展方程式論の立場から取り扱い,これらの研究によって開発された方法や得られた結果を抽象化して非線形発展方程式に対する理論的成果として再編成し,これらの理論を新しい問題や本質的な問題に応用することを試みた. 1.非線形発展作用素の研究.Banach空間における非線形半群や発展作用素の一般的なクラスを導入し,これらの半群や発展作用素に対する最良の生成定理を与え,構造や性質について多くの新しい結果を得た. 2.半形線発展方程式の研究.半線形方程式の一般化された意味での解を与える非線形半郡の半線形無限小生成作用素による特徴付けを接触条件及び値域条件の形で与え,準消散作用素論の枠組で最良の結果を得た.これ等の結果を典型的な半線型問題に応用し,新知見を得ている. 3.準線形偏微分方程式の研究.非線形発展作用素の生成理論を応用することにより,解の存在や定性的研究に対して興味ある結果を得た.また常微分方程式との関連で,上級・下級関数法を用いた解の構造に関する詳しい解析が行われた.他方数値解析やポテンシャル論の立場からの考察と共に多くの結果が得られた.反応拡散系に対しては解の安定性や特異性に関する詳細な研究が行われ,着実に成果が上がっている. 4.流体力学の数学的研究.NavierーStokes方程式の解の定性的研究において興味ある結果が得られた.他方でこの重要な方程式の発展方程式論の立場からの取扱いが行われ,新しい知見を得ることが出来た。 非線形発展方程式は,常・偏微分方程式を含む種々の具体的な非線形問題の研究と相まって現在盛んに研究されている.本研究の遂行のためには迅速かつ活発な研究連絡や資料収集活動が要求され,本補助金により上述のように多くの成果を上げることが出来た.これら場の成果は,今後も国内外分研究集会で発表され,論文の形で公表される予定である.
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