(1)[サデュラ-エフの定理のモイシェゾン空間版である、定められた超曲面に極を持つ有理関数の増大度の評価公式]と、(2)[モイシェゾン部分空間に沿った形式関数が一点で収束すれば全体で収束する]という二つの大域的な定理が、(3)[一点における形式関数は、そのジェネリック・ラクン最大の射に関する引き戻しが収束するとき、収束する]という、ガブリ-ロフの特異点に対する局所的な定理と同値となることを証明した。これによって新しい定理(1)と、サデュラ-エフの定理の応用と、難しい定理(3)の別証明がえられた事になる。 これとまったく平行する議論により、(4)[モイシェゾン空間上の定められた超曲面に極を持つ有理関数の、ある与えられた一点における消滅位数と極の位数に関する相互評価式]および(2)[モイシェゾン部分空間に沿った形式関数が一定で高い消滅位数を持てば、Sに沿っても高い消滅位数を持つ]という二つの新しい大域的な定理が、(3)[一点における形式関数は、そのジェネリック・ランク最大の射に関する引き戻しが、高い消滅位数を持つとき、高い消滅位数を持つ]という、筆者の特異点に対する局所的な定理と同値となることを証明した。 これらの結果は、研究の目的で予見したように、特異点の局所的性質と、コンパクト部分空間の大域的な性質が、(解析的改変を通じて)対応するということを実証するものである。今後はこれら関数芽について示された結果が射に対しても成立するかを見極めねばならない。
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