研究分担者 |
三宅 正武 名古屋大学, 教養部, 助教授 (70019496)
小沢 正直 名古屋大学, 教養部, 助教授 (40126313)
伊藤 正之 名古屋大学, 教養部, 教授 (60022638)
長井 英生 名古屋大学, 教養部, 助教授 (70110848)
佐藤 健一 名古屋大学, 教養部, 教授 (60015500)
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研究概要 |
ガウス過程を中心として確率過程の研究,large deviation theory(大きな偏差の理論)の研究,および情報理論の研究を進め,ガウス型雑音が加法的に作用するところのガウス型通信路に関し以下の結果を得た。 1.平均電力制限タイプの制限の下で,フィ-ドバックの有無に応じ,ガウス型通信路の容量を各々C_fとC_oとするとき不等式C_o≦C_f≦2C_oが成り立つことがかねてより予想されていた。離散時間の場合にこの予想が正しいことが最近CoverーPombraにより示されたが,連続時間の場合にも正しいことを証明した。また,不等式C_f≦2C_oはこれ以上改善できない,つまり“2"をより小さい数で置き換えることはできないことも示した。 2.フィ-ドパックの有る連続時間ガウス型通信路に対し符号化定理を証明した。ファ-ドバックの無い場合には符号化定理はよく研究されているが,フィ-ドバックが有りかつ連続時間の場合には符号化定理はこれまで示されていなかった。符号化定理の証明では部分的にはlarge deviation theoryにおける結果を用いたが,large deviation theoryを用いることにより情報理論あるいは時系列解析等の一層の精密化が可能であろう。この方向での研究を次の課題としたい。 3.雑音が定常過程の場合のガウス型通信路の容量については古くから研究されているが,数学的には難点が残されている。この通信路の容量の公式に対する新しい証明を与えた。また克服すべき仮定が残っているが,雑音過程が有理型スペクトルをもつ場合には容量の問題はほぼ完全に解決された。
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