研究分担者 |
安藤 良文 山口大学, 教養部, 助教授 (80001840)
服部 泰直 山口大学, 教育学部, 助教授 (20144553)
渡辺 正 山口大学, 教育学部, 教授 (10107724)
岡田 真理 山口大学, 工学部, 講師 (40201389)
栗山 憲 山口大学, 工学部, 助教授 (10116717)
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研究概要 |
ランダムな環境(状態空間)の中でのランダム・ウォ-クの極限定理の精密化の研究を行った。得られた結果は次の様になる。 1.一次元のランダムウォ-ク(ランダムな環境において)について,時刻t迄の最大点の分布,平均点の分布に関しての計算が出来た。 2.KestenーKozlovーSpitzerの論文(1979年)の推移的ランダム・ウォ-ク(ランダムな環境の下での)についての一般化を試みた。結果としては全ての場合を証明するに致っていないが,問題が大変重要で複雑であることが判明してきた。 3.1989年に出版された論文によって,Sinaiの問題の一般化に成功したのだが、前から計画していた様に,その精密化の最終的な結果を得ることに成功した。即ち,ランダムな環境が自己相似過程に収束するとき,原点から出発した粒子の位置について,時間スケ-ルの正規化によってある極限分布に達することを示した。特殊な仮定の下ではGolosovが1984年に証明に成功していた状況があったが,一般の自己相似過程に収束する、より広い確率過程をランダムな環境に持つランダムウォ-クを一般化した拡散過程に対して証明出来た意義は大きいと思われる。 この際、前から予想していた様に,Pitmanの定理,即ち,一次元ブラウン運動の1への最小時間迄の時間逆転過程がベッセル(3)過程になっているという事実が離散的ランダムウォ-クの場合に相当する結果を証明出来たことが基礎となっていることを注意しておく。
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