研究課題/領域番号 |
02640212
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
江沢 潤一 東北大学, 理学部, 助教授 (90133925)
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研究分担者 |
岡田 安弘 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (20212334)
吉村 太彦 東北大学, 理学部, 教授 (70108447)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 超弦 / 位相的励起 / 分数統計 / 量子ホール状態 / ジョセソン効果 / 大統一理論 / 動崩解 / 超動理論 / ジョセフソン効果 / 重力崩壊 / 超重力理論 / ファイマン類似則 / リ-マン面 / エニオン / 渦糸 / ソリトン / 分数量子ホ-ル効果 / ファインマン類 / エ・ニオン / 高温超電導 |
研究概要 |
(1)江澤は、弦理論の原型である双対励起模型の時代に知られていたファインマン類似則の方法をゴーストや超ゴーストを含めて共変化し、超弦理論の摂動的研究を行った。超弦理論に特有な「ピクチャー・チェンジング現象」を正しくとりいれる方法として、伝播演算子にある特別な射影演算子を挿入することを提唱した。これを用いて、超弦理論が発散の無い理論であるかどうか研究した。 (2)江澤は、弦理論で培った方法を用いて、エニオンの研究を行った。エニオンは平面系でのみ存在可能な分数統計をもつ粒子である。ます、エニオン系での位相的励起(渦糸)の諸性質を研究した。又、時間に周期的に依存する渦糸ソリトン解の厳密解を得た。次いで、エニオンの場の量子論をボソン場を用いて構成し、その摂動論を提唱した。この理論を平面電子系に応用し、分数量子ホール効果の全く新しい解析方法を与えた。2層電子系に対しても応用したが、特定の物理的条件の基に、二層間にJosephson効果が見えるはずである、という結論を得た。この結論は、強磁場中の半導体系に新しいタイプの超伝導現象(Josephson効果)が可能である、事を意味している。更に、このJosephson効果の観測によって素電荷eの凝縮の存在を実験的に証明できる事を論じた。 (3)超弦理論は重力理論に多くの示唆を与える。吉村は重力理論のプロトタイプとしての2次元理論を解析した。この研究で提唱した模型を半古典的に量子化し、その解を求め、重力崩壊の具体的な描像を得た。 (4)超弦理論はその低エネルギー極限として、超重力や超対称な統一理論を与える。これらの統一理論に立脚して現象論的にどうの様な事が結論されるのかは、極めて重要な課題である。岡田は、特に、トップクオーク及びそのスカラーパートナーによるループ効果から、ヒッグス粒子の質量のうける量子補正を詳しく解析した。近未来の実験でヒッグス粒子が観測され得るか、についても研究を行った。
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