研究課題/領域番号 |
02640259
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70110707)
|
研究分担者 |
中村 裕之 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00202218)
朝山 邦輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 重いフェルミオン / 超伝導 / 磁気秩序 / 核磁気共鳴(NMR) |
研究概要 |
重いフェルミオン系超伝導体CeCu_2Si_2およびUPt_3の磁気相図をNMRにより決定することを意図したが、後者については満足する結果が得られなかった。一方、CeCu_2Si_2については、その磁気持性をいろいろな角度から検討するためにトリウムを添加した結果、その系での磁気相図を決定することが出来た。 CeCu_2Si_2では、磁場でTcを下げると磁気秩序が現われることを我々が最初に発見した。その後、種々の実験でも確認された。しかし、この磁気秩序は従来のものに比べて異常な点が多く、超伝導の発現機構とも関連して、その異常性を明らかにすることが本研究課題の主要な目的の一つであった。そして以下のような重要な研究成果を得た。 (1)トリウム(Th)を6.4%以上添加した系では、磁気秩序の発生による比熱のとび及びNMRによる内部磁場の発生が観測された。従って、通常の静的な磁気秩序が出現する。 (2)トリウム(Th)が6.4%より少ない低濃度側では、CeCu_2Si_2と同様、磁気転移点以下でも内部磁場は発生せず、又比熱のとびも現われない。 以上の事から、CeCu_2Si_2及びトリウムを低濃度ド-プした系で見い出された磁気秩序は、いわゆる静的な磁気秩序ではないことがわかった。さらに緩和時間の測定から、スピンは磁気転移点以下でも完全に静止しているのではなく、NMRの周波数程度の極めて低い周波数でゆらいでいる可能性があることを見い出した。このように、特異な磁気秩序と超伝導とは、相互に密接に関係している可能性がある。今後の研究課題である。
|