研究課題/領域番号 |
02640269
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
都築 俊夫 東北大学, 理学部, 教授 (60037174)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 動的補償 / スピンーボソン系 / 変分基底状態 / トンネリングー局在転移 / 微分操作による熱平均法 / 状態和と動力学 / 二重井戸系・量子トンネル系 / 非断熱効果 / トンネリングー局転移在 / 二重井戸系 / 量子トンネル系 / 動的補償定理 / 分配関数 / 量子コヒ-レンスと散逸 / 二準位系の動力学 / 巨視的量子現象 |
研究概要 |
1.或る種のスピンーボソン系において、スピンの運動へのボソン熱浴の効果は、断熱繰り込みの考え方によってではなく、動的補償の考え方により研究されるべきことを提案した。熱浴の効果を断熱効果と非断熱効果に分けることは適当でない。2.基底状態に対する動的補償理論を展開し、変分解析を行なった。相互作用スペクトル密度関数の強さをα、赤外領域でのエネルギ-依存性をω^3とする。白色極限熱浴とする。(1)s>1の場合αの全域でトンネリング状態。(2)s=1の場合αを強めるときα_c=1/2でトンネリング状態から局在状態へ二次転移する。臨界値は断熱繰り込み値1と異なる。(3)1>s>0の場合αの全域で局在状態。(4)トンネリング基底状態に対して随伴トンネリング励起状態とのエネルギ-間隙を与えた。(5)白色領域熱浴の場合についても解した。3.熱統計力学、有限温度動力学を展開するため、微分操作による熱平均法を開発した。この方法によれば力学と熱効果を完全に分離して扱える。4.状態和の動的補償理論を定式化した。絶対零度で既導出の結果に一致する切断近似により解析した。相互作用効果は基底状態において尽くされている。有効トンネリング間隙、比熱を計算した。5.S行列を用いて動力学を非摂動論的に定式化した。数値解析は残されている。6.動的補償はスピンーボソン系に限って有効である概念ではない。縮臨したポテンシャル極小を持ち、基底状態がトンネル効果に支配されている系(量子トンネル系と呼ぶ)がボソン熱浴と双一次結合している場合に有効な一般的概念である。量子トンネル系として二重井戸系を採り、動的補償概念を適用する仕方を解説した。動的補償とは量子トンネル系へのボソン熱浴の効果を繰り込むための、赤外破綻に代る新しい概念である。7.本研究において展開された概念、成果は研究成果報告書において自己完結的に詳述した。
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