研究課題/領域番号 |
02640272
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寿栄松 宏仁 東京大学, 理学部, 教授 (70013513)
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研究分担者 |
村上 洋一 東京大学, 理学部, 助手 (60190899)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 酸素分子の磁性 / 酸素分子層のESR / 酸素分子層のμSR / 酸素単分子層の帯磁率 / 2次元磁性体 / 黒鉛表面の物理吸着 |
研究概要 |
黒鉛表面上に成長した酸素単分子層(モノレイヤ-)結晶は、2次元三角格子を構成するが、磁気モ-メント(S=1)を持つため、TN(約11K)以下で僅かな格子歪を伴い面内に容易軸をもつ反強磁性秩序相に転移する。この系は、多くの物理吸着系の中でも磁気秩序をもつ唯一の系であり、さらに酸素分子スピンが黒鉛下地と磁気的相互作用を持たない純粋な2次元(2D)反強磁性体を構成することで、特異である。 我々は、この酸素単分子層結晶の高感度磁化率測定行い、高密度ε相に初めて反強磁性転移による磁化の異常を観測し、さらに、正確な相図から第1層だけがこの磁気転移に関係し、第2層目はこの磁気異常に寄与していない事実を明らかにした。極めて特異な特徴である。しかし、磁化率のTNにおける異常は通常の反強磁性体のそれに比べ著しく小さく、2D三角格子反強磁性体に本質的なスピンゆらぎの結果である可能性を示唆している。 本研究では、これが通常の意味における磁気秩序相であるのかどうかを明らかにするため、動的な観測手段、μSRの精密測定により、スピンゆらぎのダイナミックな性質を明らかにすることを目的とした。東京大学中間子科学センタ-の施設において、まず、固体酸素のμSR測定を初めて行い、μ+緩和時間の温度依存性に磁気転移に関連した顕著な変化を観測し、さらに、α相ではこれら緩和時間が外部磁場によって著しく減少する事実を発見した。これは、酸素スピンによる内部磁場が揺らいでおり外部磁場によって抑制されることを示しており、さらにその内部磁場の大きさ(約3.0KGauss)を決定することが出来た。固体酸素単分子層については、μ+緩和時間および初期非対称性にTNでの僅かな変化が観測されたが、酸素単分子という微小量試料のため統計が不足であり、なお有意な結果とはいえない状態である。
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