研究課題/領域番号 |
02640306
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 良和 京都大学, 理学部, 助手 (00025420)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 阿蘇火山 / 地磁気変化 / プロトン磁力計 / ワイヤ-吊下げ / 1990年 |
研究概要 |
この研究は阿蘇火山の火口を横切ってロ-プを張り、地磁気変化を検出して火口直下の熱的動向を捉えようとする。1990年7月と12月に阿蘇中岳第一火口の西リムを起点として、北リムおよび東リムに向かう2測線について小型のプロトン磁力計を吊り下げ観測をおこなった。それぞれの測定には成功したが,当初の計画通りの繰り返し観測あるいは連続観測はできなかった。そのおもな原因は火山活動が終息せず活発すぎたことによる。7月の測定は天候に恵まれ、火山活動もやや静穏で、第一回の観測は成功であった。しかし、繰り返し観測のためワイヤ-を放置しておいたところ、数日後の落雷によって容易に切断された。その後、火山活動が活発化し、再測定の機会がなかった。厳冬季にかかるため、12月に再測定を強行した。しかし、視界ゼロ、強い火山ガス、火口内の噴石活動など観測条件は極めて悪く、測定値は大きな誤差を伴っていた。原因は未解決である。測線長が往復800mに及ぶため1.機材が重い。2.ロ-プをからませないために操作に慣れがいる。3.無風でないと位置再現性が得られない。この誤差は火口周辺の地上磁場観測に劣ることがありうる。4.準備に時間がかかり、手軽に観測できない。5.視界が悪いと操作に誤りがあってもその確認ができない。などの不利益がある。しかし、6.数回にわたって、火口内の湯だまりの温度の直接測定や採水に成功し、7.火口を横断する磁場傾度が測定されたほか、8.この観測技術は火山ガスの直接採集や火口縁から見られない火口底の撮影には容易に適用できる。9.筆者のみならず協力を得た数名の研究者が技術を体得した。などの知見および成果を得た。今後、火山活動の静穏化を持って、繰り返し観測をおこなうとともに、いま少し短距離において追実験を行なう。
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