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分子内原子価平均化に及ぼす固相内分子間相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02640352
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学一般
研究機関東京都立大学

研究代表者

佐野 博敏  東京都立大学, 理学部, 教授 (20086995)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード混合原子価 / 二核フェロセン / 平均原子価 / メスバウア-分光法 / 有材金属
研究概要

シクロペンタジエニル環の置換基を非対称にした1′,1′′′ークロロヨ-ドビフェロセンや1′,1′′′ーグロモヨ-ドビフェロセニウムのI^ー_3塩では、いずれの温度においても平均原子価状態を示し、シンクロペンタジエニル環上のハロゲン置換の平均化状態への影響はほとんどなく、むしろフェロセニウム陽イオンと対陰イオンによる分子間の相互作用の方が重要であることを見いだした。1′,1′′′の位置をフエニル基で置換した場合には、エチル基やプロピル基で観測されたと同様な温度依存性を示し、従来から言われていた平均化におけるπーπ相互作用の重要性は否定された。一方、二核フェロセニウム錯体の対陰イオンとしてI^ー_3の代りにCuBr^ー_2,FeBr^ー_4,FeCl^ー_4,SnCl^<2ー>_6およびZnCl^<2ー>_4を対イオンとする錯体の合成法を開発し、これらの錯体のメスバウア-スペクトルを測定した。その結果メスバウア-スペクトルは、対陰イオンに依存して種々異なった温度依存性を示し、置換基の違いによる効果より二核フェロセニウム陽イオンと対陰イオンの分子間相互作用の方が重要であることが判明した。次に、新たに分成した二核フェロセニウム塩および段知の二核フェロセニウム塩のDSCによる測定を行なった結果、ビフェロセニウムのI^ー_3塩を除いてはいずれの場合も熱異常が観測されなかった。このことは、平均化現象が秩序ー無秩序の相転移によるIsingモデルで説明されていたことと矛盾し、平均化には必ずしも秩序ー無秩序転移が必要でないことを実証した。さらに、1′,1′′′ージプロピルビフェロセニウムのI_2Br^ーとBr_2I^ー塩の結晶構造は、対応するI^ー_3塩と同形であることが粉末X線回析より確認されたが、メスバウア-スペクトルは異なった温度依存性を示し、隣接した二核フェロセニウム陽イオン間の原子価状態(混在原子価状態と平均原子価状態)の分子間交換速度に違いがあることが示唆された。以上得られた結果について論文として発表する予定である。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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