研究課題/領域番号 |
02640363
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造化学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 正明 東北大学, 理学部, 助手 (60181319)
|
研究分担者 |
伊藤 光男 東北大学, 理学部, 教授 (20013469)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | インコヒ-レント光 / ポンプ・プロ-ブ法 / フェムト秒時間分解法 |
研究概要 |
1.YAGレ-ザ-2倍波励起色素レ-ザ-(発光時間10ナノ秒)の光共振器を改造し、ブロ-ドバンドレ-ザ-光(インコヒ-レント光)を発振させた。この光をフェムト秒レ-ザ-用倍波発生結晶で紫外光に変換し、半値巾80cm^<ー1>の紫外インコヒ-レント光を得た。 2.コンピュ-タ-制御の光学遅延装置を備えたマイケルソン型干渉計を製作した。これを用いてインコヒ-レント光をポンプ光とプロ-ブ光の2つに分け、プロ-ブ光を時間τだけ遅延させて超音速ジェット中の極低温孤立分子に照射した。試料分子はポンプ光によりS_1状態に励起された後プロ-ブ光によりイオン化される。両者の遅延時間を変えながらイオン量を測定してS_1状態の超高速減衰の測定を試みた。 3.トリエチルアミン分子の非共鳴2光子イオン化を用いて紫外インコヒ-レント光の時間分解能を測定した。得られたシグナルは遅延時間τに対して強度が一定なバックグラウンドと時間τ=0を中心とするピ-ク(コヒ-レントシグナル)により構成されていた。コヒ-レントシグナルの巾から時間分解能は300フェムト秒と測定され、発光時間10ナノ秒のレ-ザ-からフェムト秒時間分解能が得られた。 4.インコヒ-レント光をアニリン分子に照射し、S_1励起状態の寿命測定を試みた。この状態は長寿命(10ナノ秒)なので理論からは全くピ-クのないスペクトルが予想されていが、観測結果はバックグラウンド上にピ-クを示した。これは分子がイオン化して電子が飛散する過程が観測された事を示し、この方法がS_1に加えて終状態の減衰も同時に反映する事が分かった。 以上の様に本研究はこの時間分解法の特性を明かにすることができた。現在、超高速減衰する分子の寿命測定に適用するべく、さらに短波長のインコヒ-レント光を発生するレ-ザ-を製作中である。
|