研究課題/領域番号 |
02640367
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造化学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大橋 信喜美 金沢大学, 理学部, 助教授 (40019493)
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研究分担者 |
藤竹 正晴 金沢大学, 理学部, 助手 (40212188)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 近赤外分光 / レ-ザ-分光 / 不安定分子 / 高分解能分子分光 / 電子遷移 / CCOラジカル |
研究概要 |
典型的な振電相互作用の一つであるレナ-・テラ-相互作用が高分解能スペクトルの上に如何にあらわれるかが興味深いCCOラジカルを取り上げて、その高分解能電子遷移スペクトルの詳細な研究を行った。 先ず、レナ-・テラ-相互作用が直接は関係しないA^3Π_i(000)電子励起状態についての詳しく且つ正確な情報を得るためにA^3Π_i(000)ーX3Σー(000)バンドの測定・解析を行った。モ-ド・ギャップ発振のレ-ザ-・ダイオ-ドを多数個用いてこのバンドのほぼ全域にわたってスペクトル測定をし、詳細に解析を行った結果、エネルギ-・レベルの随所に摂動が存在することを突きとめた。A^3Π_i(000)電子励起状態のスピン-スピン結合定数およびΛ型2重項定数を、摂動を受けていないスペクトル線と標準的な有効回転ハミルトニアンを用いて決定して、この電子励起状態の性質の一端を明らかにした。摂動を受けているスペクトル線については、その幾つかについては、吸収波数と吸収強度を用いて無摂動レベルの位置並びに摂動の大きさを見積もり、摂動を引き起こしている相手のエネルギ-準位及び摂動の性質についての予測を行った。本研究を通して、CCOラジカルのA^3Π_i(000)電子励起状態のエネルギ-・レベル構造の複雑さの様子を明らかにすることが出来たと云えよう。 次いで、レナ-・テラ-相互作用が直接関係するA^3Π_i(010)電子励起状態についての詳しい情報を得るためにA^3Π_i(010)ーX^3Σ^ー(000)バンド及びA^3Π_i(010)ーX^3Σ^ー(010)バンドの測定・解析を行った。その結果、X^3Σ^ー(010)状態の分子定数とくに1型2重項定数を新たに決定するとともに、A^3Π_i(010)状態のうちΣ^<(+)>およびΣ^<(ー)>状態の詳しい回転エネルギ-レベル構造情報を得ることが出来た。A^3Π_i(010)状態のエネルギ-・レベル構造の全体像を明らかにして、電子ー振動ー回転相互作用についてのより詳しい知見を得る事は今後の興味深い問題であろう。
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