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吸着および包接された分子の励起状態・イオン状態の動的構造

研究課題

研究課題/領域番号 02640369
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 構造化学
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

増原 宏  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60029551)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードポリ(Nービニルカルバゾ-ル) / セルロ-ス / 吸着 / 光電荷分離 / エキシプレックス / フリ-イオン / Vーザ-オ-トリシス
研究概要

ポリ(Nービニルカルバゾ-ル)(PVCz)をセルロ-スに吸着させ、その励起三重項状態や光電荷分離過程を拡散反射レ-ザ-ホトリシスにより測定し、溶液や薄膜などの均一系とは異なる吸着状態特有の現象を明らかにした。過渡吸収スペクトル測定には、マルチチャンネルフォトダイオ-ドアレイを検出器に用いた351nmエキシマ-レ-ザ-励起のホトリシスシステムを用いた。試料は、PVCzのベンゼン溶液及びPVCzに電子受容性化合物(アクセプタ-)を添加した同溶液にセルロ-スをそれぞれ浸し、吸着平衡後乾燥させた。アクセプタ-は電子親和力の異なる4種類を用い、ド-プ量はカルバゾ-ルモノマ-単位にして約5mol%にした。試料の光酸化を防ぐため、測定は窒素を吹き付けながら行った。PVCzの過渡吸収スペクトルは、Czモノマ-のTn←T_1吸収である。長波長部は光イオン化によって生成した多種多様のCzカチオントCzモノマ-アニオンラジカルの吸収の重ね合わせであると考えられる。アクセプタ-ド-プによる光電荷分離過程の結果は、アニオンラジカルと多種多様のカチオンラジカルの重ね合わせと説明できる。同時にCzのTn←T_1吸収が観測されるがこれは、吸収状態では拡散律速によるexciplex形成が起こらないため、exciplex形成に関与しなかったS_1状態は項間交差過程を経てT_1状態となり現れると説明できる。アニオンとカチオンの吸収減衰曲線を比較したところ、減衰挙動が一致していることから両ラジカルの再結合がその減衰挙動を決定していると考えられる。短寿命成分はイオンペア-の再結合が律速段階となるexciplex蛍光の減衰挙動と一致することから、この過渡種はexciplex状態であると考えられる。長寿命成分は、イオンペア-が再結合を逃れて解離したフリ-イオンであると考えられる。このように初めて、固体吸着状態における光電荷分離過程を明らかにした。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 越岡 雅則: "Absorption Spectra and Dynamics of the Triplet State in pーTerphenyl Powder Systems:A Diffure Reflectance Lasen Photolysis Study" Bull.Chem.Soc.Jpn.63. 3495-3501 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 土田 英俊: "Dynamic Interactions and Electronic Processes in Macronolecular Complexes" VCH Press,USA, (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 吉原 経太郎: "実験化学講座 分光III" 丸善, (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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