研究課題/領域番号 |
02640421
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
磯川 静子 東京農工大学, 工学部, 助手 (50015103)
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研究分担者 |
成田 光章 東京農工大学, 工学部, 教授 (40015102)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 構造解析 / 分子設計 / 超二次構造 / ペプチドアナログ / NOESY / シ-クエンス特異型タ-ン構造 / NPNタ-ン / 水素結合 |
研究概要 |
筆者らはBocーAsnーAla(AsnーProーAsnーAla)nーAsnーProーOBzlがジメチルスルホキシド中でタ-ン構造の繰り返された特異な立体構造をとっていることをつきとめていたが、その詳細な構造については明らかになっていなかった。これらのペプチドの繰り返し部分をタンパク質の分子設計に利用するためには、その詳細な立体構造とその安定性を明らかにする必要がある。従って,本年度はこれらのペプチドの詳細な立体構造について二次元NMRを用いてNOESYによる検討を行った。その結果、AsnーProーAsnーAlaのタ-ン構造部分が、タイプII型βタ-ン構造に近い構造をとっていることが推測された。また、得られたNOESYデ-たを基に、立体構造の座標の算出を行っている。一方、このタ-ン構造はテトラペプチドBocーAsnーProーAsnーAlaーOBzlにおいてもジメチルスルホキシド中で安定に存在することが明らかとなったため、このタ-ン構造を安定化させている因子を明らかにするため、種々のペプチドアナログ(ヘキサペプチド)を合成し、その ^1HNMRによる解析を行った。その結果、このタ-ン構造はAsn側鎖アミドのCO基およびNH基が主鎖のペプチド結合と水素結合とすることによって安定化されていること、タ-ン部分の主鎖の折れ曲りの角度はタイプIおよびII型のβタ-ン構造の場合より純角になっていること、を明らかにした。また、このタ-ン構造はジメチルスルホキシド中で極めて安定に存在するため、タンパク質の疎水領域では安定なタ-ン構造をとるものと考えられる。このように本研究ではシ-クエンス特異型の新らたな安定タ-ン構造を見出した。このタ-ン構造(NPNタ-ン)は,タンパク質の超二次構造の分子設計に利用できる。
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