研究概要 |
ピロリチジンアルカロイドの肝毒性・発癌性発現の初期過程に関する有機化学的研究を行った。まず,代表的な発癌性ピロリチジンアルカロイドであるモノクロタリン(1)を,生体内における代謝活性体と考えられるデヒドロをノクロタリン(2)に変換した。ついで,デヒドロモノクロタリン(2)を各種ヌクレオシド類(dG,dA,dc,T)と反応させ,付加体(3ー9)を単離・構造決定した。その結果,デヒドロモノクロタリン(2)はg'アリルエステル部位で各種ヌクレオシド塩基部の特定のN原子をアルキル化することが判明した(Table1)。特にdGのNー7位アルキル化体〔付加体(3)〕の生成は発癌機構との関連で大変興味深い。
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