研究課題/領域番号 |
02640481
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
川口 浩 高知大学, 理学部, 教授 (50036571)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | コバルト(III)錯体 / 異性化反応 / 反応機構 / 立体選択性 / 不斉反転 / 光学活性 / 絶対配置 |
研究概要 |
多座配位子として、エチレンジアミン二酢酸(H_2edda)及びエチレンジアミン二プロピオン酸(H_2eddp)を含むコバルト(III)錯体([Co(edda)(en)]^+、[Co(edda)(gly)]、[Co(edda)(β-ala)]、[Co(eddp)(en)]^+)を合成し、異性体を分離したのち光学分割した。得られた各異性体の幾何構造及び絶対配置は、吸収、CD、 ^1H-NMR、 ^<13>C-NMRのスペクトルデータ及び一部はX線結晶解析により決定した。[Co-(eddp)(en)]^+に見られる2つのβ型異性体、β(e-1)とβ(e-2)、はeddpのmerキレート部の配位不斉窒素原子の絶対配置の違いによる配座ジアステレオ異性であることが明らになった。 今回得た錯体の配位座交換反応(異性化及びラセミ化反応)を塩基性水溶液中で行い、各反応時間ごとの出発物質と反応生成物の比率及び光学純度を測定し、反応機構を考察した。これらの錯体ではedda及びeddpの配位窒素原子は不斉中心となり、fac型キレート部の窒素原子の不斉はコバルト中心回りの不斉により規制されて決まってしまう。(mer型キレート部の窒素原子の不斉はコバルト中心回りの不斉によって規制されることはない。) 今回研究した全ての錯体系において、α型異性体はβ型異性体との間の異性化反応では配位不斉窒素の反転を伴う反応がかなり優先的に起こることが明かになった。この反応経路はねじれ機構では説明できない。eddaまたはeddpのアミノNと隣のカルボキシル0の配位座が交換する反応が優先的に起こるキレート環開閉機構で説明される。
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