研究課題/領域番号 |
02640486
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松本 和子 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60111457)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アミド架橋白金錯体 / 一次元伝導性錯体 / ピロリドン / アセトアミド / 結晶構造 |
研究概要 |
アミド架橋白金多核錯体[Pt4(NH3)8(L)4]^<n+>(L=アミド配位子、n=5、6)を繰り返し単位として無限に連結した新化合物を合成し、その物性を検討することが当初の目的であった。そこでまずL=αーピロリドン、n=6+の錯体の硝酸塩を原料としてこれをピラジンで架橋することを試みた。しかし実際にはピラジンは架橋配位子として働くのではなく、塩基として作用して、もともとの白金錯体に配位していたNH3のプロトンを脱離させ、NH2^-架橋による新しいPt(III)の4核錯体を生成した。この錯体に関しては単結晶X線回折により構造を明らかにした。この錯体の結晶構造はしかしながら、当初目的としたような無限に連なる構造ではないので、期待した物性は得られていない。本錯体はPt(III)の錯体であるが、反磁性である。 一方、アセトアミドを架橋配位子としてすでに8核の混合原子価白金錯体を報告しているが、今後このような錯体を基本単位として新規な錯体を合成する際に必要な情報として、この錯体の水溶液中の挙動を調べた。この錯体は、溶解すると一部8核構造が4核になり、さらに2核構造へと変化する。また、4核構造は一部不均化反応をして、Pt(II)の2核錯体とPt(III)の2核錯体となることもわかった。したがって、これらの多核錯体を原料として合成を行う場合には、これらの変化に注意する必要がある。 アセトアミドを配位子とする系では上記の8核錯体以外に、三角形を基本単位とする無限に連なった結晶構造を持つものが見つかっているが、これに関しては、結晶構造解析が一部進行したものの、完成していないので、今後さらに解析をすすめる予定である。
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