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富士山森林限界におけるイタドリの生理生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02640505
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生態学
研究機関静岡大学

研究代表者

増沢 武弘  静岡大学, 理学部, 助教授 (40111801)

研究期間 (年度) 1990 – 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード富士山 / 高山植物の生理生態 / ド-ナツ化現象 / イタドリ / 水ポテンシャル / 光合成速度 / アレロパシ- / 森林限界 / 光合成
研究概要

富士山南東斜面の森林限界付近には、イタドリ、オンタデの多年生草本群落が広く分布している。イタドリはオンタデとともに、ここでは優占種であり、大小様々なパッチを形成している。イタドリのパッチは、大型に生長すると、中央部が枯死して、いわゆるデッドセンタ-を作る。このデッドセンタ-は、ド-ナツ化現象として古くから知られている。
本研究は、いかなる理由でデッドセンタ-が生じるかを、生理生態学的な側面から明らかにしようとしたものである。測定は、2年間にわたり、水ポテンシャル、光合成、根茎の呼吸速度、忌避物質の測定等の項目について行った。
水ポテンシャルおよび光合成の速度の測定は、ド-ナツ化現象がみられる大型パッチについて、中央部と周辺部に分けて行った。水ポテンシャルは中央部と周辺部でほとんど差異はみられなかったが、光合成速度は周辺部が高く、中央部のデッドセンタ-のシュ-トでは著しく低い値を示した。このことから、イタドリのパッチについて水条件は、ほぼどの部分においても一定であり、光合成能力は生産量の高い周辺部で高い現象がみられることが明らかになった。
根茎の呼吸は、各部分により顕著な差異がみられた。すなわちデッドセンタ-部分の根茎は、呼吸量が少なく活性が低い状態であった。また、アレロパシ-の現象はイタドリパッチ内ではみられなかった。
上記の結果は、パッチが生長するに従い、地下茎の密度が増加することと、枯死部が増加することにより、中心部の活性が低下することを意味している。ド-ナツ化が起こる過程では、まず中央部分の地下部の活性が低下し、その結果として、地上部のシュ-トの光合成速度も低下し、ド-ナツ化現象へと発展することが明らかになった。

報告書

(3件)
  • 1991 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 増沢 武弘他: "Seasonal changes in the soil temperature over a threeーyear period at the timberlin on Mt Fuji" Reports of the Faculty of Science Shizuoka University. 25. 69-78 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 増沢 武弘他: "Dynamics of the buried seed populatin in the soil at the timberline on Mt.Fuji" Reports of the Faculty of Science Shizuoka University. 25. 79-83 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 増沢 武弘他: "富士山の極限環境に生きる植物たち" 富士山の極限環境に生きる植物たち. 1-55 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 増沢 武弘他: "The daily course of transpiration rate and stomatal conductance of Polygonumcuspidatum in Mt.Fuji" Reporto of Faculty of Science Shizuoka University. 26. 81-90 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Masuzawa, T.: "Seasonal changes in the soil temperature over three years period at the timberline on Mt. Fuji." Rep. of Fac, Science Shizuoka Univ.25. 69-78 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Masuzawa, T. et al: "Dynamics of the buried seed population in the soil at the timberline on Mt. Fuji." Rep. of Fac. Science Shizuoka Univ.25. 79-83 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 増沢 武弘,他: "The daily course of transpiration rate and stomatal conductance of Polygonum cuspidatum in Mt.Fuji" Reports of the Faculy of Science Shizuoka University. 26. 81-90 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] Masuzawa Takehiro: "Seasonal changes in the soil temperature over a treeーyear period at the timberline on Mt.Fuji." Rep.of Fac.of SCi.,Shizuoka Univ.Vol.25,41ー50(1991). 25. 41-50 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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