| 研究概要 |
「からし油配糖体」を生成することが知られている15科の植物群(アブラナ科,フウチョウソウ科,Moringaceae,Pentadiplandraceae,Resedaceae,Tovariaceae,Bataceae,Gyrostemonaceae,Salvadoraceae,Akaniaceae,Bretschneideraceae,Tropaeolaceae,Limnanthaceae,Caricaceae,トウダイグサ科(Drypetesのみ)のうち、比較発生学的形質について未研究であったBataceae,Gyrostemonaceae,Akaniaceae,Bretschneideraceaeについて完全に研究を終えることが出来た。更に、フウチョウソウ科の中のユニ-クな属、Koeberlinia,それと類縁があると考えられてきたCanotia,Acanthothamnus,Brexiaの研究も完車し、Solvadoraceae,Tovariaceaeの種子の研究も終えつつある。
これまでの研究から、「からし油配糖体」生成植物群の系統について次のような示唆が得られている。
1.Gyrostemonaceaeは,Bataceaeとは類縁が遠く、むしろフゥウチョウソウ科やResedaceaeなどのようなフウチョウソウ目の植物群と近縁である。
2.Bataceaeは、どの科とも類縁がはっきりせず、非常にユニ-クな進化をとげてきた植物群である。そのため、独立目Batalesとして分類した方が良い。
3.Bretschneideraceae,Akaniaceaeは共にSapindaceaeなどムクロジ目の科と類縁がある。
4.一船にフウチョウソウ科の一属として認識されてきたKoeberliniaは、フウチョウソウ目の中の独立科とした方が良い。
以上のことから、「からし油配糖体」生成植物群について、幾つかの異る系統群に分類されることが明らかになってきた。しかし、厳密な比較と判断のためには、Drypetesなど重要な関連植物の研究が必要であることが分かった。
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