研究課題/領域番号 |
02640545
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高木 尚 東北大学, 理学部, 助手 (00004474)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 深海生物 / チュ-ブワ-ム / ヘモグロビン / アミノ酸配列 / リンカ-鎖 |
研究概要 |
深海生物チュ-ブワ-ム(TW)は、1977年ガラパゴス島沖の深海2600mの海底で発見され、口、消化器、こう門がなく特異的な形状をしているため、新しい門、Vestimentifera,を作って分類された。栄養物は、熱噴出孔から出る硫化水素を共棲している硫黄酸化細菌へ渡し、細菌が硫化水素を酸化し炭酸ガスを還元する事により炭素固定したのを得ている。今回著者はTWのヘモグロビン(Hb)の構造を通して、新しく発見されたTWとは一体どの様な生物なのか、新しい生物なら、これ迄記載されているどの生物に類縁関係があるのか、また酸素呼吸をしている生物にとっては猛毒である硫化水素を、如何にして運搬するのかを明らかにしようとした。我々は1987年しんかい2000により、相模沖の深海底で日本近海で初めて発見されたTWを用いた。ガラパゴス島沖で発見されたのと種は異なり、一応、Lamellibrachia sp.とされているが未だ種の同定はされていない。TWのHbは環形動物のそれと同じく細胞外Hbであった。Hbは4種類のヘムを持ったサブユニットと2種類のヘムを持たないリンカ-鎖から構成されていた。これらをHPLCで分離し、リンカ-鎖の一つは溶出されなかったので、計5個の構造を決定した。その結果、TWのHbの構造は、環形動物の貧毛類(ミミズ)と多毛類(ゴカイ)のHbの類似性と区別できなかった。言換えるとTWは環形動物の貧毛類と多毛類が分化するのと同じ時期(およそ5億年前)に、それらの共通の祖先から分化したと言える。また硫化水素は、Hbの蛋白質部分にある、環形動物にはなくTWのみにあるフリ-のシステインに結合して運ばれるものと考えられる。リンカ-鎖については、環形動物で存在するかどうか論争の的であったが、TWでその存在が確かめられ、やり直してみると環形動物でも存在する事が明かとなりその構造も決定した。
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