研究概要 |
1.トレハラ-ゼの精製.ノ-プリウス幼生のホモジネ-トよりポストミトコンドリア画分を得,これをアセトン処理,DEAEーSepharose CLー6Bクロマトグラフィ-,ConAーSepharose 4Bクロマトグラフィ-した後,Polyー(A)ーSepharose 4Bクロマトグラフィ-を新たに導入した。低イオン強度で酵素を吸着させ,100mMイミダゾ-ル-塩酸にて溶出した。活性画分をTSKG3000SWで3回ゲルろ過HPLCI酵素を精製した。Poly(A)Sepharose 4Bカラムは,従来クロマトフォ-カシングしていたステップに代り導入されたものである。これにより純品の酵素が,安定的に得られた。 2.セロビア-ゼの精製.ConAーSepharoseクロマトグラフィ-まではトレハラ-ゼと同一条件で行い,この後クロマトフォ-カシングし,次にTSKG3000SWにて3回ゲルろ過HPLCを行うことにより,安定で多量の酵素が手に入った。3.トレハラ-ゼの性状分析:粗標品によって得ていたデ-タを純品にてやり直す予定である(純品が得られたのは2月末であった)。4.セロビア-ゼの性状分析:新たに(1)熱安定性の解析,(2)セロオリゴ糖に対する基質特異性のチェック,(3)イミダゾ-ルが阻害効果を持つことの確認,(4)アミノ酸組成分析,(5)N末端アミノ酸がブロックされていた。(6)アシルアミノ酸遊離酵素処理とアミノ酸配列分析により,N末端より二番目のアミノ酸がセリン,三番目がグリシンと推定した。詳しいことは分析中である。5.両酵素に対する抗体の作製は,mg以上の純品が必要なので現在準備中である。 6.抗体を用いて,ブラインシュリンプの発生過程における酵素の発現の推移や幼生内酵素分布の検索を今後行いたい。 7.得られた純品の酵素の部分アミノ酸配列の決定を行い,CDNAのクロ-ニングをめざしたい。(平成3年度の科研費に申請中)
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