研究課題/領域番号 |
02640575
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
大室 弘美 東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部門, 主任研究員 (00124470)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | プロテインキナ-ゼC / リン酸化 / 非筋細胞ミオシン / ピロリン酸ゲル電気泳動 / 細胞分裂 / キナ-ゼ阻害剤 |
研究概要 |
プロテインキナ-ゼC(PKC)によるリン酸化が非筋細胞ミオシンの機能制御に関与しているか否かを明らかにするため、本年度は以下のことを検討した。(1)非筋細胞ミオシンがPKCによってリン酸化されるか否かを検討するため、ニワトリ脳および肝実質細胞よりミオシンを調製しPKCを作用させた。その結果、両ミオシンとも調節軽鎖がリン酸化された。哺乳類脳ミオシンと異なり重鎖はリン酸化されなかった。(2)PKCにより調節軽鎖がリン酸化された脳および肝細胞ミオシンをピロリン酸ゲル電気泳動(PPi PAGE)で解析した。脳および肝細胞ミオシンのPPi PAGEでの移動度はPKCによるリン酸化ではミオシン軽鎖キナ-ゼ(MLCK)の場合ほど顕著に増加せず、MLCKによる移動度増加はPKCによるリン酸化で打ち消されなかった。活性化型リン酸化をうけた非筋細胞および平滑筋ミオシンはPPi PAGEゲル上の移動度が増加するが、非活性化または抑制型リン酸化をうけた平滑筋ミオシンは移動度が変化せず、活性型リン酸化による移動度増加は抑制型リン酸化により打ち消されることを既に報告した。PKCによるリン酸化で機能が活性化される例外的な胚平滑筋ミオシンは、PKCリン酸化でPPi PAGEの移動度が増加し、MLCKリン酸化による移動度増加もPKCリン酸化で打ち消されない。以上のことは、PKCによるリン酸化で脳および肝細胞ミオシンの機能が活性化される可能性を示唆しており、PKCリン酸化のミオシンATPase活性に及ぼす影響を解析中である。(3)細胞分裂におけるミオシンのリン酸化の関与について検討するため、各種キナ-ゼ阻害剤のウニ卵の細胞分裂への影響を調べた。MLCK阻害剤は核分裂に影響せず収縮環形成と細胞質分裂を阻害した。PKC阻害剤は特異性が低いため他のキナ-ゼ阻害効果も含まれるが細胞質分裂と核分裂を抑制または阻害した。これらの結果から、ミオシンのリン酸化が細胞分裂に重要な働きをしていることが示唆された。
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