研究概要 |
1試料採取 1ー1ビ-チロック定方位試料(総計285個) (1)久米島島尻海岸(2ケ所,10,15個) (7)沖永良部島和泊町与名浜(30個) (2)宮古島東平安名岬(2ケ所,15,16個) (8)沖永良部島知名町大津勘浜(34個) (3)宮古島大浦東海岸(4ケ所,18,11,11,10個) (9)奄美大島笠利町アヤマル崎(35個) (4)沖縄本島大宜味村北東海岸(15個) (10)Heron Island,Australia[別件の国際学術調査中に採取](4ケ所,10,10,10,10個) (5)沖縄本島本部町備瀬(13個) (6)沖縄本島読谷村(12個) 1ー2貝・珊瑚(放射性炭素年代測定のため) 各サイト〜5個,総計75個 1ー3珊瑚砂(ビ-チロックの磁化機構の実験に使用) 奄美大島笠利町アヤマル崎(20Kg) 2成果 2ー1ビ-チロックの自然残留磁気強度は10^<ー7>〜10^<ー6>Am^2/Kgであり,常用の磁力計でも精密な測定が可能であることが分った。 2ー2久米島,宮古島,沖永良部島,Heron Islandの一部のビ-チロックの自然残留磁気(NRM)の方向が現在の地磁気の方向と有意に異なる方向に非常によく揃った。とくに,久米島の例は交流消磁(〜60mT)に対してきわめて安定であった。NRM方向の集中度は試料個数の増加によって高めることができるので,『ビ-チロックを用いて海洋域の完新世地磁気永年変化を研究する』という当初の研究目的の基礎が達成できたと考えている。 2ー3南北両半球のビ-チロックがそれぞれ上下方向の残留磁気を示したことから,類似した成因をもつSilcreteやCalcreteのようなChemical sedimentsが,測定可能な残留磁気を有し,かつ,過去の地磁気逆転を記録していることは確実であり,Chemical sedimentsの古地磁気という新しい研究分野が開拓できると考えている。 2ー4携帯用エンジンカッタ-の開発により,ビ-チロックの定方位試料採取を能率よく行なえるようになった。 2ー5現在,交流消磁を継続し,また,人工水流による珊瑚砂中磁性粒子の再配列の実験を行っている。放射性炭素年代は未測定である。
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