研究課題/領域番号 |
02650030
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理計測・光学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鷹岡 昭夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (80029272)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 温度計測 / 局所温度 / 薄膜 / 熱伝導率 / 熱拡散係数 / 電子顕微鏡 / 電子線 / 熱散漫散乱 / 電子ビ-ム / 薄膜温度 |
研究概要 |
非常に優れた空間分解能を持つ透過電子顕微鏡を利用して、薄膜のサブミクロン領域の温度を計測する方法、ならびに、レ-ザ-局所加熱法と組み合わせて薄膜の熱伝導率を計測する方法を研究し、計測例を示した。これは、電子線が試料の格子振動により熱散漫散乱され、適当な絞りを挿入すれと透過率が試料温度に依存する現象に着目した新しい測定法である。この方法の特徴は、光では到底達成し得ない高い空間分解能を持つていることである。 平成2年度には、これまで多結晶薄膜に適用し成果を上げてきたこの計測法を、LSI中のアルミ配線の温度の計測に応用することを試みた。アルミ配線は1μm程度の結晶粒の配列で出来ており、サブミクロン領域では単結晶と見なされる。単結晶の場合は、加熱に伴う試料の傾斜微動に対して、ブラッグ回折やその他の干渉縞が変化し、一般に測定精度が低下する。この対策として、透過率の計測をパソコンで自動化し、多くの計測デ-タをヒストグラム処理して干渉縞が影響しない透過率を求めた。現状に於いては、アルミ配線の温度測定精度は300Kから550Kの範囲で±50K程度である。 平成3年度には、レ-ザ-局所加熱源の出力を振幅変調し、熱源と試料温度の位相遅れより、局所的熱伝導率の計測法を示した。この方法は、試料の絶対温度が不要で、したがって、試料のレ-ザ-吸収率や厚さなどの試料の物理定数が未知でも適用できる利点がある。厚さ200nmの蒸着アルミ多結晶膜を用い、位相差をロックインアンプで計測した。これより算出した熱伝導率は30〜100W/mKと数値が少しばらついた。この原因には、測定回路の周波数・位相特性による位相測定誤差以外に、位相差から熱伝導率を導出する際の誤差もある。すなわち、電顕試料に対するレ-ザ-照射条件を正確に設定する必要がある。測定精度を向上させるため、レ-ザ-照射条件を計測し易いように測定系を改造すると共に、誤差の発生し難い測定動作点を調べた。
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