研究概要 |
本研究は機械・構造部材の衝撃破壊および衝撃疲労破壊機構を解明するため,数値シミュレ-ションおよび実験解析によって固体中を伝播する弾性波の引張り応力集中現象を定量的に評価することを目的としている.現在までに得られた結果および今後の研究発展を次のように計画している. 1.機械・構造部材の基本形状である平板および帯状板に関して,衝撃破壊の数値シミュレ-ションおよび衝撃破壊実験を行った.すなわち,動的有限要素法を用いた数値シミュレ-ション・システムを構築し,衝撃破壊の起点および破壊形式に及ぼす部材の形状および寸法比あるいは衝撃荷重の種類等による影響を調べた.次に,鋼平板の弾性波動実験ならびに石膏平板を用いた衝撃破壊実験との比較を行い,数値シミュレ-ションによって衝撃破壊が生ずる領域および破壊形式が予測できることを明らかにした.なお,衝撃実験は高圧空気発射式衝撃試験機(昭和61年度科学研究費一般研究C補助金にて設計・試作)を用いて,また衝撃荷重および波動測定はディジタル・オシロスコ-プNicolt,Model410(当該科学研究費補助金による設備)を用いて行った.現在,断面変化部を有する平板および円柱について同様な検討を行っている. 2.機械・構造部材の衝撃疲労破壊に関する基礎資料を得るため,弾性波一次元伝播理論に基づく縦衝撃波動の伝播を応用して開発した落錘型衝撃疲労試験機の設計・試作を行った.繰り返し衝撃荷重波形の制御および測定系の改良と平行して基礎実験を進めている.
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