研究概要 |
本研究では,自律分散型生産システムに適合しうる加工用機械の基本機能および基本構造を設計する方法論の開発を目的として,以下の項目について検討を行った. (1)加工用機械の創成運動機能と加工対象製品との関係の解析 加工用機械の加工機能と加工対象製品の形状との論理的な対応関係を求めるため,加工用機械の創成運動機能を表現するモデルを提案し,このモデルを用いて創成運動機能と加工面形状との対応関係を定式化した. (2)加工用機械の機能と構造の関係の解析 加工用機械に要求される創成運動機能と加工用機械の基本構成との対応関係を分析,整理した,具体的には,創成運動機能を構成する回転運動および直線運動を実現する機械ユニットを整理した. (3)加工用機械の誤差解析システムの開発 加工用機械において重要な設計項目となる加工精度の設計手法について検討した.創成運動誤差に起因する加工面の誤差を理論的に解析するために,加工面の誤差と創成運動誤差の関係を表すモデルを提案した. また,このモデルに基づいて,創成運動誤差から加工面の形状誤差をシミュレ-ションにより求める手法を提案した. (4)加工用機械に要求される自律機能の検討 自律分散型生産システムの基本構成ならびに構成要素に要求される情報処理機能を分析した.加工用機械の意思決定機能を表現するモデルをオブジェクト指向の考え方に基づいて作成し,生産スケジュ-ルを決定するシステムに適用した. (5)自律分散型生産システムにおける加工用機械の基本構造の検討 自律分散型生産システムにおける加工用機械の基本構造および基本機能について検討を行った.
|