研究概要 |
本研究では、工具摩耗原因を究明していく上で研究者の手助けとなるエキスパートシステムを構築するための指針を得ることを目的として、まず知識ベースの一部となる切削実験データの自動計測ならびにその蓄積を行う装置の試作とデータベースプログラムの作成を行った。解析には多種の実験データ、たとえば工具摩耗進行状況,工具摩耗形態,切削温度,切削抵抗,その他諸々のデータが必要となるが、ここでは高精度でコンパクトな切削温度測定のための熱起電力検定システムと非接触レーザ変位計を用いた工具クレータ摩耗の自動計測システムの試作開発を行った。またさまざまな切削条件下における工具摩耗の情報の蓄積および比較対象データの速やかな検索を可能にするために工具摩耗および工具摩耗形態の記録蓄積用のデータベースソフトウェアを開発した。そして、これらのデータベースを活用した実験データの解析を支援するためのエキスパートシステムの構築を試みた。なお、今回試作したシステムは、適用範囲(使用者および対象とする現象)を非常に限定した形の解析支援用プログラムであり、必ずしも十分な解析能力を持っているとは言い難い。したがって、今後さらに汎用性,解析能力を持たせた形に進歩させていく予定である。
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