研究概要 |
マシニングセンタを例にとり,制御装置内で得られる情報を活用して劣化診断を行う手法の検討を行った. 1)小型マシニングセンタのNC制御装置から各送り軸モ-タのサ-ボル-プの偏差信号を取り出し送り軸モ-タの負荷トルクを計測できるようにした.また,工具交換装置については,ア-ム停止時の振動信号が計測できるように変位計を装着した. 2)これらの信号を,NC制御装置に接続した計算機システムで集録できるようにした.また,この計算機はNC制御装置に対してDNC機能を有するようにしており,計測信号をNCプログラムと対比させて解釈が可能なようにした. 3)送り軸負荷トルク信号から機械および切削状態のを認識が可能なことが明かとなった.また,送り系の特性を線形予測モデルで表現し,そのパラメ-タから送り系の状態を診断する方法を考案した. 4)ア-ム停止時の振動は,ア-ムが把持している工具の種類によって異なるため,この波形の周波数解析結果をパタ-ン化し,登録した正常時のパタ-ンとマッチングすることにより異常状態を識別する方法を考案した. 5)シ-ケンス制御機械の制御プログラムと異常診断プログラムを統合化する方法について検討し,機械の動作を表現した状態遷移モデルから半自動的に制御・診断プログラムを生成するアルゴリズムを考案した.
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