研究課題/領域番号 |
02650105
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作
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研究機関 | 広島電機大学 |
研究代表者 |
李木 経孝 広島電機大学, 工学部, 助教授 (10136129)
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研究分担者 |
遠藤 敏郎 広島電機大学, 工学部, 教授 (60069200)
桑原 改造 広島電機大学, 工学部, 教授 (60034279)
山田 光 広島電機大学, 工学部, 教授 (50069209)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | トンネル効果 / STM / STS / 金属 / 原子像 / オイル中 / 超微細加工 / 表面欠陥 |
研究概要 |
各研究者の協力により、以下の様なみるべき成果が得られた。 まず、超微細加工を目的としたSTM装置の整備について、原子(ナノ)スケ-ルからミクロンスケ-ルまで安定した観察が可能な多目的トンネルユニットを新たに設計・製作するとともに、Z方向に探針をパルス駆動させる機能等をシステムプログラムに追加した。また、得られたSTM画像デ-タを解析する上で必要となる画像処理システムを構築し、より広範な観察への対応が可能となった。 この装置を用いて、Au、Ag、Al、In、HOPGグラファイト等の試料についてオイル中でSTM観察を行ない、原子スケ-ル観察のための試料表面の生成及び保持方法について検討した。金属については、バルク材表面の原子像の観察は超高真空雰囲気以外ではほとんど例がないが、シリコン系オイル中で機械的に研磨や切削を行ない、このまま同オイル中でSTM観察することにより、原子配列を確認した。これより、オイル中での清浄面生成とその保持がSTM観察に有効であること、さらに表面の原子スケ-ルでの平担性が原子像観察では重要であることを示した。この成果については、精密工学会、応用物理学会、STM国際会議等に発表した。現在、この手法を利用して、金属表面の超微細加工について試験中であり、ある程度の成果がまとまり次第、関連学会に発表する予定である。 今後の研究に関して、オイル中で金属表面の原子スケ-ルでの観察が可能であることを示したことは、走査型トンネル顕微鏡が種々の分野へ広く応用される可能性を与えるものである。このためにはSTM観察における清浄面とは何かを明らかにすると共に、それを実現する試料面の生成及び保持技術の確立が不可欠である。
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