研究概要 |
乱流の壁構造へのコリオリカの効果を調べるため,始めに平均流速に及ぼすコリオリの効果を明らかにした.その結果,流れを規定するパラメ-タは,R^*_e=u_*D/ν,Ων/u^2_*,ΩD/U_*の三つであることが分った.R^*_e,Ων/u^2_*,y/Dを軸とする三次の元流れ状態空間を用いれば,流れの分類を幾何学的に表現できる.壁法則や速度欠損法則へのコリオリカの効果はこれらのパラメ-タで整理できる.具体的には,Van Driest係数A,カルマン定数κ,積分定数CがR^*_e,Ων/u^2_*の関数として表わされる.コリオリカのみが支配的となるコリオリ領域の存在が確認され,その速度分布則が与えられた. レイノルズ応力<uv>^^^ーは,圧力側と負圧側でそれぞれイジェクションの寄与の増大あるいは減少に伴ない大きく叉は小さくなる.<uv>^^^ーへのスイ-プやインタ-アクションの寄与の変化は比較的小さい.負圧側において流れが層流化する場合には,イジェクション,スイ-プともに低下して<uv>^^^ー【similar or equal】0となる.相関係数は,負圧側で低下し,圧力側で増大し,コリオリカによる乱れ構造変化が生じている.スペクトル分布では,特に負圧側でv成分のスペクトルの低周波成分の低下が顕著にあらわれる.またR_Ω=±140においては,y^+=80(コア領域)でのv成分スペクトルに無次元波数kD【similar or equal】0.3に不連続な分布があらわれる.この波数は,乱れの速度スケ-ルをu_*ととると,時間スケ-ルがπ/Ωの渦に対応する.すなわちチャネル回転の周期の半分である. バ-ストの検出にVITA法を適用したが,得られたバ-スト周期には矛盾した傾向があらわれ,この流れには使えないことが分った.uv法を含め新しい手法を開発中である.
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