研究概要 |
本研究では,初期条件として周期的じょう乱を加えた場合を対象として,スペクトル法を用いた化学反応を伴う混合層のダイレクトシミュレ-ションを行い,二成分流体が混合・反応する場合について化学反応と組織的構造との関連を明らかにすることを目的としている。また,A+B→Pのような反応を対象としており,反応による発熱が無視できるものとして濃度をpassive scalarとして取り扱う。したがって,基礎方程式は非圧縮・非定常三次元ナビエ・スト-クス方程式および連続の式と化学種保存式となる。さらに,速度場・濃度場をフ-リエ級数を用いて展開し,スペクトル法を適用して数値計算を行った。空間微分はフ-リエ空間で行い,非線形項の計算はpadding法を用いてaliasing誤差を除去し,物理空間において行った。 初期条件としてはtanhで表わされる平均速度分布を与え,それにRayleigh方程式から得られる周期的な微小じょう乱とz方向に周期的なじょう乱を重ね合せたものを初期条件とした。また初期濃度分布としてもtanh型の分布を用いた。計算は64^3の格子点を用いて行い,境界条件としてはx方向とz方向には周期的境界条件を,y方向にはfree slip境界条件を用いた。 以上,2成分流体が混合。反応する場合について,化学反応と乱流の組織的構造との関連を明らかにするために,スペクトル法を用いた化学反応を伴う混合層の三次元直接数値計算を行い,以下の結論を得た。 (1)リブの存在する領域において活発に反応が行われ,生成項のピ-クはリブに存在している。 (2)コア領域においてはそれほど活発な反応は行われないが,全生成量に対する寄与は大きい.
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