研究概要 |
可視光半導体レ-ザの波長安定化を目標として,発振スペクトル幅の測定実験を行い,平行して発振モ-ド解析用の走査型干渉計および光周波数走査のための光位相変調法など周辺技術の開発を行った。 1)波長670mmの半導体レ-ザについて.温度および注入電流に対する発振波長の依存性を2光線干渉計およびモノクロメ-タにより精密測定して相関関係を明らかにし,発振波長の制御が可能になった。 2)上記半導体レ-ザについて,光フィ-ドバックの量に対する縦発振モ-ドの依存性をモノクロメ-タにより測定し相関関係を明らかにした。 3)簡単な構造をもつ安定なファブリ・ペロエタロンを試作して,上記半導体レ-ザの縦モ-ドの成分スペクトルの任意の一つを選択透過し,準単一周波数のレ-ザ光を発生させた。エタロンの反射率の選択により,単一周波数成分の選択が実験的に可能であることが判明した。従来採用されている自動制御系により,レ-ザの周波数をエタロンにロックする技術的見通しが得られた。 4)走査型マイケルソン干渉計を開発し,半導体レ-ザの干渉じま鮮明度曲線の自動記録が可能になった。鮮明度曲線により,レ-ザの発振モ-ドの推定ができ,レ-ザ共振器の光学長が算出できるようになった。 5)光位相変調器による633nmレ-ザ光の位相変調実験を試み,50MHzおよびに100MHzの変調によって発生するサイドバンドを確認し,光周波数走査に応用できる見通しを得,670nmレ-ザ光にも有効なことが判明した。 6)半導体レ-ザの発振スペクトルの半値幅測定のため,2台のレ-ザの光混合によるビ-トの観測系を試作して検出実験を行って来た。光軸と波面の整合調整の許容度が非常にきびしいため,未だビ-ト信号は得られていない。本研究はレ-ザを分子吸収線にロックするための最小基本的で不可欠の課題であり,今後も研究を続行する方針である。
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