研究課題/領域番号 |
02650209
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
川本 昂 福井工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (90110189)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | エポキシ樹脂 / アルミナ / シリカ / 界面 / 複合系 / 光電流 / マックスウェル・ワグナ-モデル / 熱刺激電流 / シラン処理 / 高分子 / 充てん剤 |
研究概要 |
複合系の絶縁構成の高電界化に対処するには、高分子ー充填剤界面の電子物性を解明する必要がある。本研究では、エポキシーアルミナ複合系、エポキシーシリカ複合系を例に、界面がボ-ル、電子の伝導に及ぼす影響について、光電導法、熱刺激電流(TSC)法を用いて検討した。その結果、次のことが明らかとなった。 [1]エポキシーアルミナ複合系のエポキシ側からキャリアを輸送した場合、低温、高電界では、エポキシ層から供給されたホ-ルは界面を通過してアルミナ層に達し、その電導度を増大させる。これは単純なマックスウェル・ワグナ-モヂルで説明できない。室温では、電導度の低いアルミナ層に光電導が律速され、上記のモデルで説明できる。 [2]エポキシーアルミナ複合系のアルミナ側からキャリアを輸送した場合、低温、低電界では、アルミナ領域からのホ-ルは界面を通過してエポキシ層に達し、その電導度を増大させるが、高電界では、エポキシ層に律速される。室温では、ホ-ルは界面にほぼブロックされ、蓄積される。 [3]エポキシーシリカ複合系のエポキシ側からホ-ル、電子を供給した場合、低温では、エポキシ側から輸送されたホ-ルの大部分は界面を通過してシリカ層に達し、その電導度を増大される。室温では同様の界面現象が発生し、前述のモデルが適用できない。また、この系では、界面に顕著な電荷蓄積を生じない。シリカの表面をシランカップリング剤で処理してもありま大きな変化を受けない。一方、エポキシ層から輸送された電子も界面を自由に通過し、シリカ層の電導度を増大する。 以上のように、エポキシ複合系界面の電気的特性は、温度、電界、キャリア種、キャリアの移方向、機械的ストレス等に大きく影響されることが明らかになった。単体で優れた絶縁性を有していても、複合系にすると絶縁性能が低下することがあるので、絶縁設計上注意を要する。
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