研究課題/領域番号 |
02650218
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
高橋 隆一 富山大学, 工学部, 助手 (80019223)
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研究分担者 |
武田 文雄 富山工業高等専門学校, 教授 (20042814)
池田 長康 富山大学, 工学部, 教授 (10222895)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 磁性材料 / 薄膜 / 磁気記録媒体 / スパッタ装置 / トロイダルプラズマ / プラズマフリ- |
研究概要 |
本研究では、よりプラズマフリ-の状態で膜を形成するため、現在使用中のトロイダルプラズマ式スパッタ装置のプレ-ナリングタ-ゲット(以下タ-ゲットとする)電極を改良した。磁界の発生にはNdFeB永久磁石を用い、タ-ゲットの中心と外周に配置した。当初、タ-ゲットに純度99.9%,3mm厚のNdFeB合金を用いる予定であったが、作製が困難で価格が高いためにFeタ-ゲット上にNd,Bのチップを配置した同時スパッタ法を採用した。手初めとして、Arガス中でFeタ-ゲットを装着したときの装置の放電およびスパッタ特性を直流電力計を併用して測定した。新たな知見としは、まず磁石の材質・配置を変えたためにタ-ゲット上の平行な磁界成分が強くなり、高エネルギ-γ電子のサイクロイド運動がタ-ゲット全面で活発になり、封じ込めが完全になる。そのためにより低Arガス圧まで放電が持続すると考えていたが、実際には10mTorrであり、γ電子の封じ込めが磁界の水平成分の大小に依存しないことが明確になった。そこで電磁石で磁界を発生させ、タ-ゲット面に平行並びに垂直な磁界成分の働きをCoーCr,NiFe,CoZrNbなどのタ-ゲットを用いて調べた。その結果、垂直成分が平行成分よりも、つまりはγ電子の螺旋運動がサイクロイド運動よりも雰囲気ガスの電離に重要な働きをすることが明らかにされた。しかし、従来法よりはタ-ゲットの浸蝕領域が広くなり、安定な放電が持続し、タ-ゲット印加電圧が250Vと非常に低下した。このことは、垂直な磁界成分が増加するように磁石を配置すれば、高エネルギ-γ電子の封じ込めが強くなり、よりプラズマフリ-の状態で膜が形成できると考えてよい。また、プラズマポテンシャル測定装置を用いてタ-ゲット付近のプラズマポテンシャルを測定した結果、トロイダルプラズマの形成が確認された。今後、プラズマと膜の構造・特性との関係並びに記録媒体としての可能性について調べる。
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