研究課題/領域番号 |
02650226
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松村 英樹 広島大学, 工学部, 助教授 (90111682)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ドライ・エッチング / ドライ・クリ-ニング / 触媒反応 / 触媒ドライ・エッチング |
研究概要 |
プラズマを用いたドライ・エッチング法は、集積回路製作などに広く用いられているが、プラズマ損傷の影響が危惧されることもある。また、液晶ディスプレイ用FET製作時に、下地半導体薄膜を大面積に渡ってエッチングまたは表面クリ-ニングする技術の開発も求められている。このため、プラズマを用いず、かつ大面積にしても安定に固体表面をエッチングまたはクリ-ニングする技術の開発には大きな意義がある。本研究では、熱触媒体に原料ガスを吹き付けるだけでエッチング種を発生させることにより、プラズマも光励起も用いることなく、固体表面を大面積にわたってエッチングする新しい方法を提案し、その方法の可能性について基礎的検討を行なった。 その結果、まずエッチングガスとしてNF_3とH_2混合ガスを用い、触媒体としてタングステンを用いた場合、シリコン表面が300℃以下の低温で微小にエッチングされることがあること、しかしそれはシリコン自身の表面洗浄に依存するなど再現性に乏しいこと、さらにNF_3混合比がH_2の10分1を越えると触媒体材料による基板汚染が見られること、などを見い出した。また、H_2ガスのみをエッチングガスとして用いると、触媒体による基板汚染は見られなくなるが、エッチング自体の低温での再現性良い確認ができなくなること、などを見い出した。 以上のように、今のところは、初期に目指したような実用レベルの再現性良いエッチング、表面クリ-ニングを実現するには至っていないが、研究は現在も継続中であり、少なくともNF_3とH_2混合ガスの使用により300℃以下の低温でシリコンがエッチングされることがあることを示した点で、知見を進めることができた。
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