研究課題/領域番号 |
02650276
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報工学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
比企 静雄 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (50006227)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 感覚障害 / 聴覚障害 / 人工感覚器 / 人工聴覚 / 人工内耳 / 聴覚神経 / 音声 / 読唇 |
研究概要 |
第1年度には、音響的な信号に含まれる各種の情報要素が、聴覚神経の電気刺激による人工聴覚の電極によって伝達され得る限界を、音響分析的・聴覚心理的な理論に基ずいて解析した。とくに、あとの考察のための前提として、音声の分類・表記について、人工聴覚を読唇と併用した場合の音声知覚の特性の相補関係を詳細に解析する方法を検討した。 第2年度には、理論的な情報伝達の限界の範囲内で言語情報が最も有効に伝達されるように、音声信号を処理する方法を検討し、検査用の音声サンプルに適用した。そして、処理された音声信号が人工聴覚の特性を通った場合に生じる聴覚心理的な感覚を客観的に把握するために、そのような音響的な信号を計算機シミュレーションによって復元した。 第3年度(本年度)は、このような研究の経過を踏まえて、第2年度に計算機シミュレーションによって模擬的に復元された人工聴覚の音響的な信号を用いて、言語情報がどのように聴き取れるかを、聴覚心理的実験によって確かめて、その結果を、実際に人工聴覚を使用している聴覚障害者の場合と照合しながら、精密な解析をした。 さらに、第2年度に得られた結果を拡張して、読唇による補助的な情報との併用も考慮して、音声の情報の伝達に最適な電極の構造についても考察し、計算機シミュレーションと聴覚心理的実験によって再確認した。なお、第2年度の実験では、音声の情報伝達要素が、音声信号の周波数スペクトルの次元ではなく波形の次元で、できるだけ強調されるような処理方法に主眼をおいたが、第3年度には、これらと周波数スペクトルの次元での特徴との対応関係についても検討した。 これらの第1〜3年度に得られた結果を総合して、聴覚神経の電気刺激による人工聴覚のための最適な音声信号の処理方法を、できるだけ一般性のある形式で導き出す作業を現在進めている。
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