研究課題/領域番号 |
02650279
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 顕 東北大学, 工学部, 助手 (80134021)
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研究分担者 |
中村 僖良 東北大学, 工学部, 教授 (00005365)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 超音波トランスジュ-サ / 漏洩弾性表面波 / 音速測定 / V(z)曲線 / 拡散ビ-ム / ヌルゾ-ン / 圧電セラミックス / 音響特性測定システム |
研究概要 |
本研究は、2個の拡散ビ-ム超音波トランスジュ-サを用いて被検体試料に対する超音波の送受信を行い、試料の表面を伝搬する漏洩弾性波の速度を簡便に測定する新しいシステムの開発を目的としたもので、以下のような成果を得た。 1.円筒状の圧電セラミックスを用いて本構想の拡散ビ-ム超音波トランスジュ-サ対を設計・試作し、ステンレス、ニオブ酸リチウム単結晶、圧電セラミックスなど種々の材料を被検体としてトランスジュ-サと試料の間の距離zに対する受信出力電圧Vの変化、すなわちV(z)曲線を測定した。その結果、V(z)曲線には試料表面から鏡面反射成分と漏洩弾性表面波の再放射成分との干渉による受信出力の極小、すなわちヌルゾ-ンが明瞭に観測され、その位置の測定から漏洩表面波速度が容易に求められることが実証された。なお、本測定法にはヌルゾ-ンシフト効果による測定誤差が含まれるが、これは測定周波数を高めに選ぶほど、また、送受信トランスジュ-サ間の距離を広くするほど低減されることを明かにした。さらに、測定精度を向上させるための3トランスジュ-サ法を提案し、これによれば前述のヌルゾ-ンシフト誤差がほぼ除去され、理論値に対しほぼ±2%以内の測定値が得られることを示した。 2.本システムにより得られるV(z)曲線を理論解析により求め、その極小位置から求めた音速値と試料の材料定数値から計算した音速値とを比較した。これにより、前項で述べたような実験事実がほぼ裏付けられたほか、トランスジュ-サの半径と測定周波数を一定とした場合、測定精度を向上させるためにはトランスジュ-サの動作領域、すなわち音波の照射範囲をある最適な状況に設定すれば良いことが明かになった。
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