研究概要 |
本研究は,プロ-ブ光として白色の直線偏光を表面反射で用いる精密な新しい評価法により,光導波路の厚さ方向の屈折率分布n(t)の非破壊精密測定を試み,これを,光IC形成プロセス研究用のリモ-トセンシング評価法として確立することを目的とする.このために,まずn(t)を均質多層膜によりモデル化し各層の屈折率nと厚さtにたいして,測定誤差△n=0.001,△t=1nmを達成する.これと同時にプロ-ブ領域の微小化を試み数μmをめざした. この結果, 1.膜厚600nm程度の導波路で,△n:0.001,△t:0.3nmを達成できた.この値は,迷光レベルを極度におさえたプリズム+グレ-ティングのダブルモノクロメ-タ-の採用により更に改良する余地がある. 2.微小化については,干渉効果の入射角依存性が導波路の厚さtの増加とともに大きくなることから,使用できるf値がtの増加とともに小さくなり,実質的に使用できる光学系の倍率を制限することが明かとなった.このとき,入射面に垂直な方向の許容角度広がりは,入射面内の方向の許容値に比べ,入射角60°で270倍とたいへん大きくなることから,導波路の長手方向を入射面に平行にとると有利であることが明かとなった.これらの要素を考慮して,集束光学系を最適化してゆく予定である. 3.入射角を新たな測定パラメタ-とする事により可視域でほぼ連続な測定ができること.これを利用すると導波路を形成する途中の,波長の1/4程度の厚さの膜に対しても同様の測定ができる可能性を見いだした. 以上の成果は,順次発表を予定している.
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