研究概要 |
1)1次元の簡単な振動系に4つのセンサ(振動ピックアップ)を配置して,曲げ波の振動インテンシティを計測し,振動エネルギ-の伝搬方向と大きさの測定を行った.この測定に際しては大量のデ-タのクロススペクトルを求める必要があるため,デ-タ蓄積用にハ-ドディスク装置を購入した. 2)1次元の振動系の曲げ振動を解析的に求め,その結果を元に,曲げ波の振動インテンシティを解析的に求めた.これによって,エネルギ-の伝達に際しての,近傍場と遠方場の寄与率を明らかにした.その結果以下の2項目が明らかとなった. ・近傍場と遠方場の影響を正確に見積もることが正確な測定に欠かせない要件であること ・近傍場と遠方場に位相差がある場合には,近傍場の影響が極めて大きくなること 3)計測に用いる多センサの利得差,位相差,位置の誤差,取り付けインピ-ダンス等による測定誤差を実験的に評価し,コンピュ-タシミュレ-ションによる結果と比較した. 4)振動インテンシティの実測結果,解析解,それに,センサに誤差がある場合の測定誤差の影響について比較検討した.その結果,誤差を実用的な値である2dB以下に抑えるためには,4つのセンサの位相差,感度差,位置誤差を従来法である2センサ法より厳重に管理する必要があるものの,近傍場の影響がある場では,2センサ法に比較して,はるかに良い精度で計測が可能であることが明らかになった.
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