研究概要 |
本研究の前半部は,道路橋上を重車両が走行する際に発生する橋梁振動,及びそこから放射される低周波音の研究にあてられている。伸縮装置部における段差並びに橋梁路面の凹凸を有する単純支持桁及び連続支持桁の道路橋を検討対象とし,重車両の解析用モデルとしては,2種の4自由度系を採用している。連成系の動的応答解は,離散化した橋梁モデルと走行車両モデルの連成振動の支配方程式をモ-ド解析法と数値積分法の併用によって求めている。 音響工学に基づく各種音源モデルの比較検討によって最適音源モデルの設定を行い,橋梁の振動速度のフ-リエ・スペクトルを用いて,橋梁振動から放射される低周波音の任意受音点における音圧レベルのスペクトルを求める簡便な手法を開発した。この解析手法に基づく一連の数値シミュレ-ションの結果から,任意受音点の音圧レベルに及ぼす各種要因(主桁支持形式,伸縮装置部の段差,路面凹凸,走行車両の特性,車両の走行速度など)の影響度合を系統的に評価した。これらにより,今後の低周波音対策に対して有用と思われる情報を提供した。 本研究の後半部では,鉄道橋の振動・騒音の基本特性を把握するため,プレ-トガ-ダ-の衝撃問題を扱っている。まず,鉄道橋の主要な構造要素である1形及び箱形プレ-トガ-ダ-を平板の集成体と捉え,有限帯板法によって低次から高次までにわたる精ちな固有振動解析を行い,その結果を各波動パタ-ンごとの断面変形モ-ド図及び位相速度分散曲線にまとめた。また,衝撃的外力を受けるプレ-トガ-ダ-の動的応答を解析し,振動速度のフ-リエ・スペクトルによって,その衝撃応答特性を明らかにした。解析の有効性は,衝撃作用時間を変化させた衝撃実験によって検証した。
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