研究概要 |
年々増加するコンクリ-ト廃材の有効利用を図るため,コンクリ-ト破砕物から製造された再生骨材を粗骨材として混合使用したコンクリ-トの品質に関する研究を実施した。研究は再生骨材自体の物性と再生粗骨材の混合割合を変化させてフレッシュおよび硬化コンクリ-トの諸性質を実験的に検討したものである。 その結果,再生粗骨材は普通砕石と比較して比重,吸水率,破砕値などに違いが見られるが,コンクリ-トの品質や用途に応じて混合する再生骨材の割合を適切に選択すれば十分使用可能であり,本研究で実施した種々の実験から再生粗骨材の使用限度については高強度や高耐久性を要求されないコンクリ-トであれば,30%程度用いても差し支えなく,この範囲であれば通常のコンクリ-トと同等に取り扱えることが明らかとなった。また,鉄筋コンクリ-ト部材へ再生骨材を適用する場合,使用するコンクリ-トの強度を普通コンクリ-トと同等にすればひびわれ発生荷重や終局耐力にはほとんど影響を及ぼさないことが判った。 しかしながら,再生骨材には不純物の混入や過剰なモルタルの付着により,それを用いたコンクリ-トの品質に悪影響を及ぼす恐れもあり,今後,不純物やモルタル除去方法,破砕方法の改善について検討を行なう予定である。コンクリ-ト廃材は今後益々増加することが予想され,処分場の延命のためにもコンクリ-ト廃材を資源として捉え,有効に利用することが望まれる。
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