研究概要 |
この研究は,簡便かつ経済的に初期応力状態を決定する新しい方法,即ち円錐状に仕上げたボ-リング孔底にモ-ルドひずみゲ-ジを接着し,オ-バ-コアすることによって,単一のボ-リング孔を用いて初期応力状態を決定する方法を提案し,現位置試験を通じてその実用化を確認したものである.得られた主な成果を以下に示す. 1)測定法に関する成果 a)境界要素法を適用して,円錐孔底形状に対する応力感度係数(単位応力のによって生じる円錐孔底壁面上のひずみ値)および先行探り孔を有する円錐孔底形状(改良型)に対する応力感度係数を精度よく求めた. b)最小2乗法を用いて,任意数の測定値に対する観測方程式を構成した. c)1つの円錐孔底でのひずみ測定から,測定地点の初期応力状態を精度よく決定することができた. 2)測定機器および実施関連の成果 a)クロスゲ-ジを6組埋設した12成分円錐形状ひずみゲ-ジセル(軟らかいモ-ルドゲ-ジ)を開発し,円錐孔底で簡便にひずみ計測をする方法を確立した. b)アンボンド加速度計を用いて,円錐モ-ルドゲ-ジセルの方向を確定するよ方法を考案した. c)円錐孔底仕上げ用のダイアモンドビットを開発し,その性能をテストし,実用化した. d)ボ-リング機械のスイベルを改良し,オ-バ-コアリング中でも連続なひずみ計測を可能とした. e)円錐孔底前方に小口径の先行探り孔を掘削し,孔底以奥の岩の状態を確認する方法を考案した(1)a)参照).
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