研究課題/領域番号 |
02650351
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
板倉 忠興 北海道大学, 工学部, 教授 (70001138)
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研究分担者 |
森 明巨 北海道大学, 工学部, 助手 (00001339)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 河川断面変化部 / 複断面水路 / 開水路の2次流 / 開水路流の数値計算 / 河道変化 / 洪水流 / 水制 |
研究概要 |
1.河川断面急変部の流れの解析:実験水路内で側岸から水制状の突起物がある場合の流れの構造を詳細に測定し、流れの3次元構造を明らかにした。固定床矩形断面水路の場合の水制直上流面における流れは、水深のほぼ中央付近で分かれ、上昇及び下降の2方向の流れとなる。すなわち、いわゆる首飾り渦の上方にもう1個回転方向が反対の渦が生じ水路横断方向に軸を持つ2つの渦が、水深方向に上下に2個存在する。移動床水路の場合の水制直上流の流れは、下降流のみであるが、水制の上流及び下流側の双方から水路中央へ向かう2次流が発生し、これが河床洗掘の原因ともなっている。この場合、水制の上流側および下流側では流れの機構が異なり、また固定床上の流れとも全く異なっている。以上の2次流は静水圧分布の仮定の下では再現することができず、本研究で開発された3次元の非静水圧数値計算モデルによって良く説明できることが明らかとなった。 2.複断面蛇行河川の流れの研究:ボロノイ図を計算要素として、任意に複雑な地形上の流れが解析できる非構造格子の数値計算モデルを開発した。計算法は有限体積法で移流項の風上差分により計算の安定性が非常に高い。また、ボロノイ図の幾何学的特性により、格子点の不規則配置や格子密度が大きく偏った配列でも良好な結果が得られる。本モデルを留萌川の昭和63年洪に適用し、現地の流れの構造が良好に再現できることを確認した。また、計算結果と現地の河岸侵食状況との比較から、彎曲河道の安定性について次の知見が得られた。河道流が氾濫原に乗り上げる箇所では河岸が侵食される。反対に氾濫流が河道に戻る箇所では外岸側と内岸側で傾向が異なる。外岸側では反転らせん流が形成され、河岸は安定であるが、内岸側では彎曲度の大きい箇所に侵食が生ずる。流れが氾濫原に乗り上げるか、河道に戻るかは主として氾濫原の形状による。
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