研究課題/領域番号 |
02650365
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
岡 泰道 法政大学, 工学部・土木工学科, 助教授 (00152281)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 土壌特性 / 不飽和帯水分 / 表面流出 / 教値シミュレ-ション / 雨水浸透 / 数値シミュレ-ション |
研究概要 |
本年度の研究により以下の成果が得られた。 土壌特性については、昨年度の研究では、現地採取試料を用いた室内試験結果より求めた水分特性曲線により、流域斜面土壌特性の平面および深度方向の変動性について整理した。本年度は、現地での土壌特性を評価する手法について検討するとともに、既往の現地不飽和帯水分観測デ-タ、人工降雨装置を用いた室内浸透実験デ-タ、および浸透方程式を用いた数値シミュレ-ションにより、まず、土壌の透水特性と表面湛水発生条件との関係について考察した。自然林地では降雨浸透がほとんど不飽和の状態で進行するのに対し、都市化域の土壌では地表面に近い浅い層の吸引圧変化が非常に速く、飽和に近いところまで変化する。この差は有効間隙の大小に関係しており、都市化域では浸透水を下方に伝達する場合に効果を持つ大間隙が少ないために、特に転圧度の大きい土層の透水性が極度に低下していることが原因となっている。したがって、都市化域での表面湛水の発生には、不飽和帯浅層部の転圧土壌の存在が大きく関与しており、これと表層部の飽和透水係数との関係で発生条件が規定されていることが定量的に明らかにされた。 次に、実流域斜面を対象としてFEMモデルを用いて、流域斜面の土壌構成および初期・境界条件が不飽和帯水分挙動ならびに表面流出発生機構に及ぼす影響について検討した。斜面のいずれの部位においても地表に近い部分は降雨に対する反応がきわめて速く吸引圧の急激な低下が見られる。斜面中腹より上流側は鉛直浸透が卓越し、下流側では地下水位の上昇、表面流出寄与域の拡大の影響が顕著に表れている。これは、下流域では地下水位が浅く、不飽和帯への地下水からの水分供給があることによる。
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