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中国西南地域の〓族集落にみられる伝統的木造夛層建築(鼓楼)の構法に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 02650441
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 建築史・建築意匠
研究機関東京電機大学

研究代表者

阿久井 喜孝  東京電機大学, 工学部・建築学科, 教授 (90057183)

研究分担者 滋賀 秀実  東京電機大学, 工学部・建築学部, 助教授 (20057235)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード中国西南地域の少数民族 / 夛層木造建築の構法 / 稲作文化圏 / コミュニティ・センタ- / 東洋建築史 / 比較建築史 / 文化財保存 / 規格化設計
研究概要

鼓楼は風雨橋と共に中国少数民族の〓族にのみ見られる独得な木造建築である。我々は'89年夏に続き'90年9月に広西省三江地区と貴州省〓東南地区を約八百粁走査し撮影と実測により夛数の事例を記録し構法詳細図を作成した。その成果と収集した沢献資料の対比考察を通じて概略下記のような諸点を明らかにすることができた。
1.鼓楼はかつて揚子江中流域の平原地帯で稲作農耕を営んでいた〓族集落の物見落の物見樓的軍事施設であったが現在は夛目的な集会施設の機能を有する。2.鼓楼は閣底、楼身、亭頂と呼ばれる三部分で構成され、外観上は奇数層(3〜17)の屋根庇を張り出し、吹抜のホ-ル空間を内包する塔状建築である。3.閣底は少数の例外のほか全て正方形の平面と四本の主柱をもつが、楼身と亭頂は四、六、八角形平面の組合せで夛様な形態を示す。正方形の亭頂には方形寄棟と入母屋の二種の型がある。4.丸太の主柱を固定する横材は柱上に梁や桁をのせ束をたてる我国の伝統的和小屋と全く異質ですべて細長な水平の貫(ヌキ)材であり、柱は屋根裏迄貫通する。5.巨大な心柱は地盤と無関係に亭頂部の帯束として扱われ、架構中心の緊結と釣合保持の役をもつ。各層屋根庇の支持はすベて丸柱の吊束と貫材の肘木を組合せ規格寸法の部分軸組を重ね合せて行われる。6.〓族の民家と同様、吊脚構法により主柱及び周辺柱の横力吸収が行われ、耐力壁や筋違材は全くみられない。吊脚構法とは柱の外側に宙に浮いた添柱を並置して貫材で固定したものである。7.貴州省と広西省では構成上明確な差がいくつか指摘できる。特に亭頂部の飾斗拱と天井板は前者のみに特有で外観デザイン上の特徴となる。また前者の亭頂は八角方形が主流で装飾も華麗を極める。8.〓族の農民は図面なしで建設するが、これは、伝統的規矩術が完成しており、規格化された部分軸組みの繰返えしで全体を構成することが可能の為である。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 阿久井 喜孝: "中国・貴州省・広西省の〓族集落における鼓楼建築について" 日中建築(日中建築技術交流会機関誌月刊). 5月号. 8-10 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 阿久井 喜孝 滋賀 秀実 ほか: "中国西南地域における伝統的木造夛層建築に関する研究" 東京電機大学 総合研究所年報. NO.9. 173-182 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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