研究概要 |
筆者は現在,新しい燃料電池として溶融炭酸塩(Na_2CO_3-K_<2E2CO>3E2)と塩化物の混合塩を電解質とするものを考えている。本研究では電池反応(特に正極反応である酸素の還元反応)と予想れる材料の腐食について検討した。 1.溶融炭酸塩(Na_2CO_3-K_<2E2CO>3E2)と塩化物の混合塩中の部分浸せきAu 電極における酸素の還元反応の電気化学的測定を行い、混合塩の場合、炭酸塩単独と反応次数、活性化エネルギーがほぼ同じであるという結果を得た。即ち、炭酸イオンをアニオンとする溶融塩中において塩化物イオンが少量添加されても反応機構に変化がないことが明かとなった。 2.本電池の基本となる電解質であるNa_2CO_3-K_<2E2CO>3E2とNaCl-KCl共晶溶融塩におけるNi,NiO(負、正極材料)および各種金属の熱力学的安定性を明らかにした。 3.部分浸せきAu電極における酸素の還元反応に関して、薄膜モデルを導入して検討した。 4.筆者はNi-ポリマー複合電着膜を酸化することにより得た酸化物粒子が0.01から数μmの範囲の開気孔を有し、各サイズの孔の体積率が制御できることを示した。 5.この研究成果は今後、多孔質電極を作製し電気化学的測定を行い、MCFCへの組み込みまで行う予定である。
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